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あのひ あのとき

4週間前の金曜日の夜のこと。

ひとり2階のリクライニング・チェアに置いて来たあーしゃが心配で、急いでお風呂から上がってきた。
長風呂のできないわたし、いつもよりもっと早かったって義母が後から話してた。

あーしゃはチェアの上で寝てた。
声をかけるとこっちを見た・・・と思う。
ふとみると、下に敷いていたシートいっぱいにおしっこをしてた。
夕方、補液してもらってからおしっこしてなかったから、すっきりしたねって洗面所で汚れたお腹周りを洗ってあげようと抱っこした。
ビタミン剤のせいで黄色くなってた。

あーしゃはすっかり筋肉が落ちて、そして体に力が入らないから、クタクタしてた。
抱っこの体勢が苦しいのか、辛いのか、いつもははぁはぁとしてたけど、このときは
く〜と声をあげたのを覚えている。

>ごめんね〜すぐ終わるからね、気持ち悪いね。
そう言って、急いで洗って、タオルで拭いた。
そうして、床の上のベッドにそっとおいた。

いつも楽な姿勢、うつ伏せに。
そうすると・・・
ころんと左を下に横になってしまう。
また、うつ伏せにした。
また、ころんと・・・

>あーしゃ!
うつろな目、その目はもうわたしを見てなかった。
何度呼んでも、目はあいてるけどこっちを見てくれない。

あわてて隣に住む義妹(サラ・メイママ)に電話をかけた。
>あーしゃが変なの!
すぐに、階下に住む義父母といっしょに階段を駆け上がってきた。
みんなであーしゃを取り囲む。

>アーサー!アーサー!

あーしゃの息遣いが荒くなった・・・と思う。
義母が
>病院に連れて行かなくていいのっ?
って言ってた。
とても動かせない状態だった。
時計を見た。
8時40分は過ぎていたように思える。
もう、かかりつけはやってない。
連れて行くなら、今朝の夜間救急病院だ。

でも、もう、だめかもしれない。

そう、思った。


激しい息遣いのあと、グググと喉が詰まるような音がした。
大きく口を開いた。
そうして、ぱたっと止まった。

>アーサー!!
とみんなで叫んだ。
とっさにそけい部で脈をみた。
とくとくとく・・・と脈は止まり、あっという間に瞳孔が開いた。


あーしゃは、このとき、やっと苦しみ、痛みから解放された。

大きな手術をして、きっと、治って元気になるんだって思ってたのに
こういう形で病気から開放されるなんて
思ってもみなかった。

とうとう
このときがやってきてしまってた。

義父母と義妹といっしょに泣いた。
義父も大声で泣いた。

ふと、時計を見上げるとちょうど21時だった。

Trackbacks

Comments

けーこ | 2006/6/2 22:02

大好きな皆に看取られて天使になったんですね。
頑張ったね、あーしゃくん。。。
今はもう痛みもなく元気に走り回って、ママを見守ってくれてると思います。

辛かった「その時の事」お話ありがとうございます。

涙がとまりません | 2006/6/2 22:28

15年前に亡くなった愛犬も同じでした。。。お辛い気持ちとてもわかります。。。いまだに思いだすと涙がでます。。。がいい思い出と共に時間は流れていきますよ。。。

ティティまま | 2006/6/2 22:39

そうでしたか、私がこのブログを読んでいた時はもう亡くなっていた後だったのですね。
皆さんに看取られて幸せだったと思います。
いずれは私も同じ思いをすることでしょう。やっぱりその時は看取ってあげたいと思います。

ひめおやじ | 2006/6/2 23:39

悲しい事は、涙で洗い流しましょう。
苦しい事は、みんなに聞いてもらって、みんなの涙で洗い流してもらいましょう。
ここにはそういう仲間がいっぱい居ます。
私もお手伝いさせていただきますよ。

kay | 2006/6/3 00:06

ひめおやじさんにつづきます。
その『仲間』はあーしゃくんが作ってくれた仲間ですもん!
ママ〜っ、いっぱい思い出語ろうね。

ぽーる姉 | 2006/6/3 00:28

あーしゃくんは、いつみてもお手入れが良かったけれど、「あのとき」も、ままさんにきれいにして貰ってから、旅立ったのですね。大好きなお家の方々に囲まれて、あーしゃくんもおだやかな気持ちでいられた、と思います。

14年前に、虹の橋を渡った先代ぽーるも、旅立ちの時には、あーしゃくんとおんなし目をしていたのを思い出します。

まるこ | 2006/6/3 00:47

アーサーママさん、お話してくれてありがとうございます。
読んで涙が止まりません。
今日は土曜日。悲しい別れをした土曜日です。
あれから何度あの仔の最後の時を思い出した事でしょう・・
柔らかだった肉球が今も忘れられません。
アーサー君が頑張れたのはママさん始めご家族みなさんの愛情があったからだと思います。
悲しみを涙で流す、私もそうしています。
みなさんのコメント、温かいですね。

lie | 2006/6/3 02:46

アーサーママ、私も涙がとまりません。こえをころしてオイオイ泣いてしまった、あーさー!って。

LAmam | 2006/6/3 07:34

旅立っていったあ〜しゃのお顔、病気に立ち向かいがんばりぬき、私には少し誇らしげにも見えました。
ママさんが勇気をもって書いてくれることで、またその勇気をもらえます。ありがとう。

masaco | 2006/6/3 07:38

涙が止まりません。
大きな手術を頑張ったんだもん、たくさんたくさんお薬飲んだんだもん、治って元気になって欲しかったですよね。
2年前、アーサー君が肛門腺腫の手術をして、肥満細胞腫が見付かったとブログで拝見した時、まさかこんな恐ろしい病気だとも思わず、アーサー君は絶対元気になると信じていました。
ジュライにプニプニが出来てリンパ腫かも知れないと言われて、ジワジワと恐ろしさが襲って来た時、やっとアーサー君が肥満細胞腫と言われた時のアーサーママさんのお気持ちがわかった気がします。
そして、アーサー君とアーサーママさんの頑張る姿をブログで拝見していたから、どんな結果でも全て受け入れてアーサーママさんみたいに頑張ろうと思いました。
アーサー君とアーサーママさんは、私に勇気をくれました。
そして、ジュライが何でもなかったのは、アーサー君が「ジュライ君は、まだ大学病院に来なくていいよ。」って守ってくれたからだと思っています。
アーサー君、どうもありがとう。

アン君のボス | 2006/6/3 07:49

 悲しい思い出、楽しかった思い出、たくさんたくさんあると思いますが、特に悲しい思い出を振り返ることはつらいと思います。
 つらい記憶を思い出し、そして、話してくださりありがとうございます。
 アーサー君のたくさんの思い出(悲しいことも楽しかったことも)を話してください。
 きっと側で、アーサー君も
聞いていると思います。
 そして、私たち、みんなも聞いて、時には涙を、時には、うれしそうな顔をしたアーサー君を思い出し・・・PCの前で聞き入りたいと思います。 
 

J & U | 2006/6/3 13:01

初めまして。湘南オフ会の午後の部に参加した時ア-サ-君の事知りました。ア-サ-君のがんばり ママさんのがんばりには 頭が下がります。我が家のuも脂肪識炎という病気です。 ママさん パパさん くれぐれもご自愛専一にお過ごし下さい。

みみ@家 | 2006/6/3 15:32

最後にくーっていう声聞けたんですね。
そっか、、、
アーサー君、声出せたんだね。
あの肉球 また触りたいね。

パンドラ | 2006/6/4 18:54

アーサーママさん、書いて下さってありがとうございます!
いつか懐かしい思い出になりますように〜♪

ベリグー | 2006/6/4 23:52

「子供の日」に旅立ったアーサーくん、明日は月命日ですね。
今頃は天使になって、ママやパパたちを見守っているでしょう。
最後の瞬間は、信じられないけど受け入れなくてはと、いろんな感情が交錯したのを今でもはっきりと覚えています。
私も妻も、ビッキーは我が子でしたからね。
ここに来て、アーサーママさんの思いをみんな聞きたいのです。
アーサーくんは不在ではありません。
あなたの中に生き続けています。
その様子を綴ってください。
お願いします。

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